東日本部落解放研究所

前理事長内田雄造氏の訃報 [ 2011-02-01 ]

カテゴリ:報告情報

2010年5月第25回総会であいさつする内田雄造理事長(当時)

 昨年5月まで本研究所の理事長をされていた内田雄造氏が1月26日早朝、突然の「虚血性心不全」のため逝去されました。まことに残念ではありますが、皆様にお知らせ申し上げます。
 健康上の問題があったということではなく、ご家族もあまりの突然のことに茫然とされておられました。近く葛飾区で講演・報告をするということで、いち日半前の1月24日に研究所に電話がありましたが、その時は、全く元気な声でありました。
 本研究所には設立準備の段階から参加をされ、理事を経て、1996年に理事長に就任され、昨2010年5月の総会で現理事長(鐘ヶ江晴彦氏)に引き継いだばかりでありました。
 また、被差別部落のみならず、アジアの「スラム」の住環境の改善や、当事者の主体性を踏まえたまちづくりなどに深く関わり、それを理論化する作業も自らの課題とされていました。近年では、中越地震の被災地・山古志村の復興・まちづくりに関わって、重要な役割を果たされてきたと聞いています。
 内田雄造氏は享年68歳、1942年3月に生まれ、大学、大学院で建築、建築計画学を学び、60年代末の大学闘争に参加し、その後東洋大学の教官に就かれました。それと平行して、高知県をはじめとして、被差別部落の「環境改善計画」「総合計画」「まちづくり」に関わり、自らの研究・実践の方向を切り拓いてこられたと思います。それは、大学闘争の頃に考え、表明もしていた、自分にも関わる建築、都市計画、その研究のあり方への批判的な問い掛けを継続し続けた営みでもあったと思います。
 あまりに早い逝去は、残念の限りでなりません。
 つつしんで、故人とご家族に哀悼の意を表します。(事務局長 藤沢靖介)

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