東日本部落解放研究所

教育部会

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教育部会

教育部会は研究所設立の翌年、研究所の初の部会として発足して以来、東日本の同和教育(解放教育)の実践的課題を明らかにするとともに実践者、研究者のネットワークづくりに取り組んできました。

いわゆる構造改革によって教育にも競争原理、市場原理が持ち込まれ、改革によって生じた社会的、経済的格差の拡大、固定化が子どもたちの中にも深刻な影響をもたらしています。排外、国家主義の右翼グループの活動が活発化し、「日の丸・君が代」が強制され、教職員への管理、統制が強められています。子どもたちの人間関係はずたずたに引き裂かれ、いじめによる自殺や不登校が跡を絶ちません。

同和教育、人権教育は教育に人間性をとりもどし被差別の子どものみならずすべての子どもを大切にしていく取り組みであり、その理念と手法において普遍的価値を持つものです。同和教育、人権教育の意義を一層明らかにしていくことが大切です。

2002年、同和対策事業法(地域改善対策財特法)の期限切れ以来、行政の動きは「もう“同和”は終わった、これからは“人権”だ」という流れになり、「同和」、「同和教育」という言葉も使ってはいけないようかのような状況が生まれています。またそこで言われる「人権」も差別と向き合い、被差別の当事者と共に歩もうとするものではなく、当事者を避け、一般的な啓発で事足れりとするものになっています。

これまで同和教育は、これまでの取り組みの中で確認され、大切にされてきた「差別の現実に学ぶ」ということを基本にすえ、子どもと向き合い、一人一人の子どもや親たちの生活の中にある事実と向き合い、その願いを大切にするとともに、教師自身のありようをとらえかえしてきました。しかし今、多くの学校現場ではその理念と教訓が忘れられ、目の前の子どもの姿に目がいかず、その背景にある地域や親たちの生活、歴史、願いとも離れて人権一般や部落の歴史についての啓発的学習で事足れりとする傾向が広がりつつあります。

そのような中、全国各地に同和教育の原点、初心、理念を大切に子どもと向き合い、地域に入って、被差別部落の親や青年たちとつながって地道な活動を続ける人々が少なからずおり、東日本も同様です。

このような東日本における取り組みをつなぎ、互いに切磋琢磨していける場を確保すべく、研究所(教育部会)が主催して第1回の東日本同和教育実践交流会を2010年2月、さいたま市で開催しました。当日は関東甲信越の各地および石川から教職員、同盟員、その他関係者70名以上が集まり、熱心な討論が行われました。

これからも東日本における同和教育の実践交流とネットワークを大切に取り組みを進めていきます。

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